金融業界の新しい動き~金融サービス仲介法制について~

■金融サービス仲介法制とは

銀行・証券・保険の各サービスを1つのサービスにまとめる新仲介業態のことです。

今まで、金融業界は「銀行・証券・保険」と縦割りで1つずつ登録をしなければでしたが、金融サービス仲介業が創設できれば、面倒な手続きが簡素化されて、顧客の利便性と企業の生産性がアップすることが期待されています。

 

■金融サービス仲介法制が創設されるとどうなる?

①便利な新サービスが提供される

昨今、情報技術の進化やフィンテック企業の台頭によるスマホを通じた「家計簿アプリ」「銀行アプリ」「証券アプリ」「健康管理アプリ」等がありますが、横断的に仲介することができるので、各のアプリを起動させなくても、1つのアプリで全てを管理できるようになるかもしれません。

また、1つのアプリで複数の機能を利用しているので、精度の高いレコメンドをしてくれるサービスなどが提供されるかもしれません。

 

②所属制が緩和される

 まず、所属制について説明します。

仲介業者が仲介業務を行うためには、金融機関に所属しなければいけません。金融機関は仲介業者に対して、日々の行政運営の指導および監督を行う必要があり、仲介業者が顧客に与えた賠償責任を負うことになっています。さらに、仲介業者が顧客に提供する金融商品やサービスを提供するうえで必要な機能の一部なども担うことになっています。そのため、仲介業者は複数の金融機関に所属はできることになっていても、厳しい指導・監督のもと、追加の届け出やその他煩雑な手続きが必要で一般的ではありませんでした。

 

今回、金融サービス仲介業が創設されると、この所属制の概念が覆されることになるため、仲介業者が様々な金融機関の商品を仲介することが簡易的になります。 

 

商品の提案を受ける顧客にとっては1人の担当者でトータルコーディネートしてくれるので、信頼できる担当者の存在が大きくなります。

 

③電子決済等代行業の登録手続きが不要になる場合がある

お客様のために良い商品やサービスを仲介しても、「資金の振り込みは銀行へ行ってください」となると、大変不便です。

そのため、内閣総理大臣へ登録しなければいけない電子決済等代行業の登録手続きを一定の条件を満たせば不要になります。

これにより、ワンストップ提供に最適化された新しい仲介業になることが期待されています。

 

■今後について

2020年5月時点で全てが決まっているわけではありませんが、この新仲介業が誕生すると銀行員・証券マン・保険職員等の営業体制についても大きく営業を与えるかもしれません。全ての金融商品を新しい金融サービス仲介で取り扱えるわけではございませんが、横断的に銀行・保険・証券の機能を新しい枠組みで提供できるのであれば、金融機関のグループに縛られることのない中立的な立場であるIFAの方々の需要が高まってくる可能性もあります。

フィンテック企業とIFAのコラボ等今後の金融業界の動向を楽しみにしています。

 

以上