金融機関の現状と課題からみるIFAへの期待

■金融機関の現状と課題

金融庁は今後の方針にいて重点項目を以下のように述べています。

  1. 金融デジタライゼーション戦略の推進
  2. 多様なニーズに応じた金融サービスの向上
  3. 金融仲介機能の十分な発揮と金融システムの安定の確保

 

金融庁自ら、利用者向を中心としたサービスを築くように金融機関に対して指導していることが今の現状であり、実現できていないことが課題です。

(私自身も銀行本位の営業がおかしいと思っていても、少なからず実践してました…)

 

その中でも今回は、5/26に書いたブログとの兼ね合いもあり「2.多様なニーズに応じた金融サービスの向上」に注目してブログを進めていきます。

 

■多様なニーズに応じた金融サービスの向上とは

金融庁の今後の方針によると、利用者の多様な金融サービス利用者のニーズへの対応と信頼感・安心感の確保をすること。

具体的には以下の通りです。

  1. 多様な金融サービス利用者のニーズへの対応をする
  2. 利用者の声の活用、コンプライアンスリスク管理の向上をする
  3. 暗号資産(仮想通貨)への対応をする

 

金融機関は今まで「お客様第一」「お客様に寄り添う」など誠実なことを言い続けていましたが、実態は「利用者の声を聴かない」「銀行本位」だと金融庁から言われてしまっているんですね。

 

そこで私が感じたのはIFAの存在についてです。

 

■IFAとは?

"Independent Financial Advisor"の略で、"独立系ファイナンシャルアドバイザー"とも呼ばれています。

つまり、銀行や証券会社、保険会社などに所属せず(行員・社員ではない)、資産運用のアドバイスを職業としている方のことを指します。

日本では資産運用をしようと思うと、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格を保有した銀行・証券・保険会社の担当者に相談することがほとんどだと思います。

ところが2017年のアメリカでは、IFAに相談する割合と大手証券会社に相談する割合は同じ(36%ずつ)であり、2022年ごろには10%以上の差をつけて、IFAに相談する割合が増えてくるとも言われています。

 

■本当にIFAへの相談が増えてくるの?

その理由を以下ので述べたいと思います。

【金融機関に所属している担当者】

  • 所属している金融機関で取り扱っている金融商品を提案する
  • 転勤があるため、短期的な提案になることが多い
  • 営業ノルマにとらわれやすい

【IFAの担当者】

  • しがらみがないため、多種多様な商品を提案できる
  • 転勤がないため、長期的な視点での提案になることが多い
  • 独立しているので、ノルマはない

以上のことより、IFAへの相談が増えてくると思いますが、大手金融機関の担当者のスキルはマニュアル化されているので最新の動向に瞬時に対応していますが、IFAの中には自分自身をアップデートしていない方もいるので、慎重にパートナーとなる方を選ぶ方が良いと思います。

 

金融庁が求めている役割こそIFAなのでは?

ここで話を戻すと、金融庁が金融機関に対してやってほしいことはIFAのように多種多様なサービスを長期的な視点で行うことだと思いますが、私は今の金融機関には厳しいと思います。

それはなぜかというと、低金利が続き収益が悪化し続けている中、店舗削減や人員削減、RPA化の推進などコストカットを進めて何とか黒字にしている金融機関が、本当にお客様を第一にした提案を行うことができるのか?ということです。

2018年には銀行員の販売のノルマを廃止したということも報道されましたが、別のノルマが厳しくなっただけで、何も変わっていないと思います。つまり、今までと変わらなく、金融機関は金融庁が言うことはちゃんと守りますよ!と言いますが、実態はハイハイちゃんとやってますよーというスタンスで銀行本位の収益を上げるための提案のままです。(もちろん、一部の担当者はお客様第一で提案していると思います。)

 

日本ではまだ馴染みのないIFAですが、金融サービス仲介法制の創設も期待されていますし、IFAへの役割が期待されているので、IFAへの支援なども考えてもらえるといいのかと思います。

 

以上